退職代行の非弁行為とは?民間業者が違法になる線引きと業者の見分け方

非弁行為とは? 安い退職代行に有給交渉を頼んではいけない理由 法律・制度

公開日:2026年9月20日/最終更新日:2026年10月25日/料金はすべて税込・2026年9月時点の各社公開情報/本記事はアフィリエイト広告を利用しています

退職代行の料金を見ていると、1万円台の業者と5万円を超える弁護士事務所の差が気になりますよね。この差が生まれる理由は、安い業者の多くが民間企業で、有給や退職日の「交渉」を法律上できないためです。

今回は、その根拠になる「非弁行為」の意味と、運営元ごとにできること、業者を選ぶ前に確認したい点を解説します。

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非弁行為とは? 弁護士法72条が禁じていること

非弁行為とは、弁護士でない人が、報酬を得る目的で法律事務を扱うことです。「非弁(ひべん)」は「弁護士でない者」を略した言葉で、根拠は弁護士法72条にあります。

弁護士法72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
e-Gov 法令検索(弁護士法)

条文は長いですが、退職代行に関係する部分は3つの要件に分けて読むと分かりやすくなります。

「報酬目的」「法律事件」「法律事務」の3つの要件

  • 報酬を得る目的で:退職代行は料金を受け取るサービスなので、この要件は基本的に満たします。
  • 法律事件に関して:権利や義務について争いがある、または争いになりうる案件のことです。有給を取らせるか、退職日をいつにするか、未払い賃金を払うかは、いずれも労働者と会社の権利義務が対立する場面です。
  • 法律事務を取り扱う:代理・仲裁・和解など、法律上の効果を生じさせる行為です。会社と話し合って条件を決める「交渉」はここに含まれると考えられています。

つまり、お金を受け取って、労働者の代わりに会社と有給や退職日を話し合う行為は、この3つに当てはまりやすいということです。

ポイント

無料で友人の相談に乗る行為は「報酬目的」に当たりません。退職代行は料金を受け取る以上、残る問題は「会社と交渉をするかどうか」の一点になります。

違反したときの罰則(弁護士法77条)

非弁行為には刑事罰が定められています。弁護士法77条により、72条に違反した者は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象です。

弁護士法77条(抜粋)
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
(中略)
三 第七十二条の規定に違反した者
e-Gov 法令検索(弁護士法)

2025年6月に施行された刑法改正で、それまでの「懲役」という表記は「拘禁刑」に統一されました(e-Gov 法令検索(刑法))。古い解説にある「2年以下の懲役」は改正前の表記で、刑の重さ自体は変わっていません。

注意

罰則を受けるのは業者であって、依頼した労働者ではありません。ただし、業者が会社に交渉を拒まれた結果、有給が取れないといった不利益を受けるのは利用者です。

なぜ退職代行で非弁行為が問題になるのか

「辞めます」という意思を会社に伝えるところまでなら、法律上の争いは生じません。ところが実際の退職では、有給を使い切りたい、退職日を早めたい、先月の残業代が未払いだ、といった要望が出てきます。

会社が「有給は認めない」「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」と返した時点で、そこから先は権利をめぐる話し合い、つまり交渉です。この交渉を民間企業が報酬を得て行えば、弁護士法72条に触れるおそれがあります。

退職代行のどこまでが「伝達」で、どこからが「交渉」?

線引きの考え方は、「使者(ししゃ)」と「代理人」の区別です。使者は本人が決めた意思をそのまま相手に届ける立場で、手紙を運ぶ郵便配達員のように、内容を自分の判断で変えることはありません。

代理人は、本人のために自分の判断で相手と話し合い、条件を決める権限を持つ立場です。会社の反応に応じて「では退職日は来週にしましょう」と落としどころを探る行為は代理人の仕事であり、法律事務に当たります。

覚えておきたいこと

民間企業の退職代行は「使者」です。本人の希望を伝えることはできても、会社が断ったあとに話を進めることはできません。

非弁行為に当たるおそれが高い行為

民間企業の退職代行が行うと、非弁行為と判断されるおそれが高い行為は次の5つです。

  • 有給消化の交渉:会社が渋った場合に説得や条件調整をする行為
  • 退職日の調整:会社の「今月末まで働いてほしい」と本人の希望日との間で折り合いをつける行為
  • 未払い賃金・残業代の請求:金額を示して支払いを求める行為
  • 損害賠償への反論:法的な根拠を示して反論したり、請求を取り下げさせたりする行為
  • 退職条件の取り決め:私物の返送や貸与品の返却期限について、会社と話し合って合意を作る行為

いずれも、会社の主張に労働者側の主張をぶつけて条件を決めていく行為です。「話し合い」が生まれた時点で、交渉の性質を帯びます。

使者としての伝達にとどまる行為

一方、次の行為は使者としての伝達であり、非弁行為には当たらないと一般に整理されています。

  • 「○月○日をもって退職します」という本人の意思を、そのまま会社に伝える
  • 「本人は有給の消化を希望しています」と伝える(会社が拒否しても説得はしない)
  • 「今後の連絡は本人ではなく書面でお願いします」という要望を伝える
  • 会社からの返答を、そのまま本人に伝える

両者の違いは次のとおりです。

行為性質民間企業の退職代行
退職の意思を伝える伝達可
有給消化の「希望」を伝える伝達可
会社が有給を拒否した後に説得・調整する交渉不可(非弁行為のおそれ)
退職日を会社と話し合って決める交渉不可(非弁行為のおそれ)
未払い賃金・残業代の支払いを求める交渉・請求不可(非弁行為のおそれ)
損害賠償の主張に法的に反論する交渉・法律事務不可(非弁行為のおそれ)

この線引きは法律の専門家の間で広く共有された考え方ですが、個別の事案で裁判所が細かく判断した例は多くありません。グレーな部分が残ることには注意が必要です。

運営元3タイプで、できることはどう変わる?

退職代行の運営元は、民間企業・労働組合・弁護士(法律事務所)の3タイプに分かれます。非弁行為の観点から見た、それぞれが法的にできる範囲は次のとおりです。

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対応内容民間企業労働組合弁護士
退職の意思を伝える可可可
有給消化の交渉不可可可
退職日の調整不可可可
未払い賃金・残業代の交渉不可可(団体交渉として)可
未払い賃金の法的請求(訴訟・労働審判)不可不可可
損害賠償請求への法的対応不可不可(主張を伝える程度)可
慰謝料・ハラスメントの損害賠償請求不可不可可
訴訟の代理不可不可可
法的根拠使者としての伝達憲法28条・労働組合法6条弁護士法3条

表のとおり、交渉の可否で民間企業と他の2タイプが分かれ、訴訟の可否で労働組合と弁護士が分かれます。

民間企業|意思の伝達まで

株式会社などが運営する退職代行は、使者として本人の意思を伝える範囲で動きます。料金が低い理由の一つは、対応範囲がここまでに限られているためです。

「弁護士監修」と書かれた業者もありますが、監修はサービスの仕組みを弁護士が確認したという意味です。実際の連絡を弁護士が行うわけではなく、監修があっても対応できる範囲は変わりません。

労働組合|団体交渉権にもとづいて交渉できる

労働組合が運営する退職代行は、会社と交渉できます。根拠は憲法28条が保障する団体交渉権と、労働組合法6条です。

労働組合法6条
労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。
e-Gov 法令検索(労働組合法)

利用者は依頼時にその労働組合へ加入し、組合員になります。組合が組合員のために会社と話し合う行為は団体交渉であり、弁護士法72条ただし書きの「他の法律に別段の定めがある場合」に当たると整理されています。

労働組合法7条2号により、会社は正当な理由なく団体交渉を拒めません。例えば、労働組合が運営する退職代行ガーディアンのように、有給や退職日の交渉を含めて一律19,800円で、追加料金が発生しない業者もあります(公式サイト、2026年9月時点)。

ただし、労働組合ができるのは交渉までです。会社が支払いを拒み続けた場合に、訴訟や労働審判を代理することはできません。

労働組合が運営する各社の仕組みと料金は、労働組合が運営する退職代行おすすめ7選で比較しています。

弁護士|交渉から訴訟まで対応できる

弁護士は、法律事務全般を扱うことが弁護士法3条で職務として認められています。

弁護士法3条1項
弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
e-Gov 法令検索(弁護士法)

意思の伝達や有給・退職日の交渉に加えて、次のような弁護士に限られる対応も依頼できます。

  • 訴訟・労働審判の代理:会社が未払い賃金を払わない場合に、代理人として法的手続きを取る
  • 損害賠償請求への法的対応:会社から請求された場合に反論し、必要なら裁判で争う
  • 慰謝料の請求:ハラスメントを受けていた場合に、会社や加害者へ慰謝料を請求する
  • 内容証明の作成・送付:弁護士名義で法的な通知を送る

料金は3タイプの中で高い水準ですが、損害賠償をほのめかされているなど法的なトラブルが見込まれる方には弁護士がおすすめできます。フォーゲル綜合法律事務所のように退職代行を専門にうたう事務所もあり、各事務所の費用と対応範囲は弁護士の退職代行おすすめ5選で整理しています。

民間企業に交渉を頼むと、利用者はどう困る?

非弁行為で罰則を受けるのは業者ですが、実際に困るのは利用者です。民間企業に「有給の交渉もお願いします」と頼んだ場合、次の4つのリスクがあります。

1. 会社が「非弁行為だ」として対応を拒める

労働問題に詳しい会社や顧問弁護士がいる会社は、民間業者からの連絡に「代理権がないので交渉には応じない。本人と直接話す」と返すことがあります。

会社には労働組合の団体交渉に応じる義務がありますが、民間企業との「交渉」に応じる義務はありません。拒否されれば、業者はそれ以上動けません。

2. 交渉した内容が無効・不安定になる

仮に業者が「有給を全部認める」という返答を会社から得たとしても、権限のない者が行った交渉は法的な効力が不安定です。後から会社が「正式な合意ではない」と態度を変えれば、利用者は自分で交渉し直すか、別の専門家に依頼し直すことになります。

3. 有給を残したまま退職日を迎える

年次有給休暇は、労働基準法39条で保障された権利です(e-Gov 法令検索(労働基準法))。労働者が時季を指定すれば、会社は原則としてこれを認める必要があります。

会社には時季変更権がありますが、退職日が決まっていて振り替える日がない場合、この権利は実質的に使えないと解されています。それでも会社が「認めない」と言い張れば、交渉できない業者は「本人の希望は伝えました」で終わります。

注意

消化しなかった有給は退職と同時に原則として消滅し、退職後に買い取りを求める法的な権利もありません。月給24万円・月20日勤務の方なら有給1日は約1万2,000円に相当し、10日残っていれば約12万円分を手放す計算です(当サイトの試算)。

4. 業者が途中で対応を打ち切る

会社側が「非弁行為として弁護士会に通報する」「業者を訴える」といった対応に出ると、民間業者は自らのリスクを避けるために対応を打ち切ることがあります。

「退職の意思は伝えたので業務は完了しました」と言われれば、利用者は会社と直接やり取りせざるをえません。退職代行を使った目的そのものが果たせなくなりますね。

このため、「安いから」という理由のみで民間企業を選び、交渉が必要な案件を任せるのはおすすめできません。料金で比べる場合も、【安い順】退職代行の料金比較10選で運営元の列をあわせて確認しておきましょう。

安い退職代行を選ぶ前の見分け方7項目

料金だけで判断せず、申し込む前に公式サイトで次の項目を確認しておきましょう。

  • 会社概要や特定商取引法にもとづく表記に、運営者の名称・所在地・代表者名がある
  • 労働組合なら、加入する組合の名称と組合費(料金に含まれるか)が書かれている
  • 弁護士なら、氏名・所属弁護士会・登録番号が書かれている
  • 「交渉可」と書く場合、その根拠(労働組合か弁護士か)が示されている
  • 基本料金のほかに組合費・追加相談料・書類作成費がかかるかが分かる
  • 会社が交渉を拒否した場合や本人へ直接連絡した場合の対応が書かれている
  • 返金保証の「退職できなかった場合」の定義が明確になっている

弁護士は、いずれかの弁護士会への所属が義務づけられています。氏名と登録番号が分かれば、日本弁護士連合会の弁護士検索で実在を確認できます。

労働組合の場合は、組合名と組合費が明記されているかを見ます。組合名のない「労働組合提携」は実態が分かりにくいため、注意が必要です。

注意

民間企業が「弁護士と提携しているので交渉も可能」とうたうケースには注意が必要です。実際に誰が会社と連絡を取るのかを事前に確認しておきましょう。

弁護士が非弁業者から事件のあっせんを受けたり名義を貸したりすることは弁護士法27条で、弁護士でない者が法律事務を扱うことは同72条で禁じられています。

ケース別|どの運営元に頼めばよい?

自分の状況がどれに当たるかで、選ぶ運営元は変わります。4つのケースと第一候補は次のとおりです。

ケース第一候補理由
1. 意思を伝えるだけでよい民間企業(労働組合も可)交渉が不要で、伝達の範囲で足りる
2. 有給を消化して辞めたい労働組合会社が拒否した後の交渉が必要
3. 未払い賃金を請求したい労働組合または弁護士交渉は労働組合、訴訟まで見込むなら弁護士
4. 損害賠償を示唆されている弁護士法的な反論と裁判対応は弁護士に限られる

ケース1:退職の意思を伝えるだけでよい

有給が残っていない、未払いもない、会社ともめる要素がない方は、民間企業でも目的を果たせます。期間の定めのない雇用契約なら、民法627条1項により申し入れから2週間で契約が終了し、会社の承諾は必要ありません。

民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
e-Gov 法令検索(民法)

この2週間を欠勤や有給で埋め、実質的に即日出社しなくてよい形にする仕組みは、【民法627条】即日退職が成立する仕組みの解説で扱っています。ただし、もめる要素が見当たらない場合でも、会社が予想外の反応をすることはあります。

同じ料金帯に労働組合の業者があれば、そちらを選ぶほうが安全といえます。

ケース2:有給を消化してから辞めたい

有給が残っている方は、労働組合または弁護士が候補です。民間企業では、会社が拒否した時点で手段がなくなります。

ポイント

有給が2週間分以上あれば、申し入れから退職日までを有給でまかない、実質的に出社せずに退職する形も可能です。この調整は「退職日の交渉」を伴うため、交渉権のある運営元が必要になります。

費用を抑えたい方は、労働組合を第一候補として検討してみるとよいでしょう。会社が事前に「有給は認めない」と強硬な姿勢を示しているなら、弁護士もあわせて検討する余地があります。

ケース3:未払いの賃金や残業代を請求したい

賃金は労働基準法24条により、全額を支払うことが義務づけられています。未払いがあれば、労働組合は団体交渉として支払いを求めることができます。

ただし、会社が交渉に応じても支払いを拒んだ場合、労働組合は労働審判や訴訟を代理できません。金額が大きい、証拠の整理が必要、会社が支払う気配がない、という方は最初から弁護士に依頼するほうが二度手間になりません。

注意

未払い賃金の請求権には時効があります。2020年4月以降に支払期日が来た賃金は、当分の間3年で時効にかかります(労働基準法115条・附則143条)。

心当たりがある方は早めに動いておきましょう。

ケース4:会社から損害賠償を示唆されている

「今辞めたら損害賠償を請求する」「違約金を払え」と言われている方は、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることを禁じています。

退職は労働者の権利であり、正当な手順で辞める労働者への損害賠償が認められる例はきわめて限られます。それでも、会社の主張に法的根拠を示して反論し、必要なら裁判で争えるのは弁護士に限られる仕事です。

労働組合は「本人は支払いに応じない意向です」と伝えることはできますが、請求の法的な妥当性を争うことはできません。損害賠償の話が出ている場合は、料金より対応範囲を優先して選ぶことをおすすめします。

非弁行為に関するよくある質問

民間企業の退職代行を使うと、利用者も罰せられますか

弁護士法72条・77条で処罰の対象になるのは、法律事務を業として行った側、つまり業者です。依頼した労働者が処罰された例はなく、利用者が罪に問われる心配は基本的にありません。

ただし、業者が交渉を拒否された結果、有給が取れない・対応を打ち切られるといった不利益を受けるのは利用者です。

「弁護士監修」の民間業者なら交渉できますか

できません。監修は、サービスの流れや書式を弁護士が確認したという意味です。

実際に会社へ連絡する担当者が弁護士でなければ、その担当者ができるのは意思の伝達までです。「監修」と「弁護士が対応」は別のものなので、公式サイトの記載を注意して読んでおきましょう。

労働組合の退職代行は、なぜ弁護士でなくても交渉できるのですか

憲法28条が労働者の団体交渉権を保障し、労働組合法6条が組合の代表者や委任を受けた者に交渉権限を認めているためです。利用者は依頼時に組合へ加入し、組合が組合員のために会社と交渉する形になります。

この団体交渉は、弁護士法72条ただし書きの「他の法律に別段の定めがある場合」に該当すると整理されています。

会社が「非弁行為だから応じない」と言ってきたらどうすればよいですか

依頼先が民間企業なら、会社の主張には一定の根拠があります。その場合は、労働組合または弁護士に改めて依頼し直すのが現実的です。

依頼先が労働組合や弁護士なら、会社の主張は誤りです。労働組合なら「団体交渉の申し入れ」であること、弁護士なら委任を受けた代理人であることを、会社へ説明してもらいましょう。

退職の意思を伝えるだけなら、民間企業で本当に問題ありませんか

「退職します」という意思の伝達は使者の行為であり、非弁行為には当たらないと一般に考えられています。民法627条により、期間の定めのない雇用契約は申し入れから2週間で終了するため、伝達のみで法的には退職が成立します。

ただし、会社が有給や退職日について反論してきた場合、そこから先は民間企業では対応できません。「反論されたらどうするか」を申し込み前に業者へ確認しておくと安心ですよ。

ここまでの内容をふまえて業者を選びたい方は、退職代行おすすめ比較13選で運営元・交渉範囲ごとの一覧を確認しておきましょう。

非弁行為の心配なく交渉まで任せられる退職代行2社

有給や退職日の交渉まで頼みたい方は、労働組合か弁護士が運営する業者から選ぶのが基本です。交渉を任せられる2社は次のとおりです。

退職代行ガーディアン|法適合組合が交渉まで一律19,800円

退職代行ガーディアンの公式サイト
出典:退職代行ガーディアン公式サイト(2026年9月時点)
項目内容
料金19,800円(正社員・パート問わず一律・追加料金なし)
運営元労働組合(東京労働経済組合)
交渉有給取得・退職日・未払い給与や残業代の請求まで対応
即日可能(公式サイトでは相談した当日から出社不要と案内)
返金保証なし
後払いなし
連絡手段LINE・電話(24時間365日)

退職代行ガーディアンは、東京労働経済組合が運営する退職代行です。料金は雇用形態を問わず一律19,800円で、有給や退職日の交渉まで追加料金なしで頼めます。

民間の安い業者と数千円の差で交渉まで任せられるため、有給が残っている方に向いています。

フォーゲル綜合法律事務所|交渉から法的対応まで弁護士に任せられる

フォーゲル綜合法律事務所の公式サイト
出典:フォーゲル綜合法律事務所公式サイト(2026年9月時点)
項目内容
運営元弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所
料金ライト22,000円/スタンダード25,000円/あんしんプラス55,000円/業務委託110,000円
追加費用・成功報酬なし
即日対応可(最短1時間)
交渉有給・退職日・未払い分の交渉に対応(スタンダード以上)
返金保証あり(全額返金保証)
後払いあり(要審査)/2回分割可
連絡手段—
公務員対応可
その他退職日から60日間アフターフォロー/傷病手当サポート33,000円

フォーゲル綜合法律事務所は、弁護士が直接対応する退職代行です。退職を伝えるライトプランは22,000円からで、交渉はスタンダードプランの25,000円から対応しています。

会社とのトラブルが大きくなりそうな方や、未払い分の請求まで考えている方に向いています。

まとめ

非弁行為とは、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を扱うことで、弁護士法72条で禁じられています。違反した業者には、弁護士法77条により2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています。

退職代行では、「退職の意思を伝える」までは使者としての伝達であり、民間企業でも行えます。しかし、有給消化の交渉、退職日の調整、未払い賃金の請求、損害賠償への反論は交渉であり、民間企業が行えば非弁行為のおそれがあります。

交渉が必要なら、団体交渉権のある労働組合か、法律事務全般を扱える弁護士が選択肢です。訴訟や損害賠償請求への法的対応、慰謝料請求は弁護士に限られます。

安い業者を選ぶこと自体が悪いわけではありません。

まず、自分の状況で交渉が必要かどうかを判断します。そのうえで、その範囲に対応できる運営元かを公式サイトで確認しておきましょう。

運営元の明記、組合名や弁護士登録番号、料金の内訳の3点を見ておくと、後悔する選択を避けやすくなります。

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有給の消化や退職日の調整を頼みたい方は、労働組合か弁護士が運営する業者を選ぶことが分かれ目になります。民間企業の業者は辞める意思を伝えるところまでで、交渉まで行うと弁護士法に触れるおそれがあるためです。

退職代行診断ナビの無料診断で、いちばん重視したいことに「退職日や有給消化の交渉もしたい」を選ぶと、交渉できる業者だけがすぐに表示されます。雇用形態と辞めたい時期もあわせて選ぶと、ご自身の条件に合う候補がわかります。

本記事は法律の一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。具体的な状況については弁護士や労働基準監督署にご相談ください。

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