退職後に傷病手当金と失業保険は両方もらえる?順番と切り替えのタイミング

退職後に傷病手当金と失業保険は両方もらえる?順番と切り替えのタイミング お金・タイミング

公開日:2026年9月26日/最終更新日:2026年10月25日/2026年9月時点の情報にもとづきます/本記事はアフィリエイト広告を利用しています

体調を崩して退職を考えたとき、傷病手当金と失業保険を両方もらえるのか、気になりますよね。

病気で働けない間の傷病手当金と、次の仕事を探す間の失業保険は、同じ期間に両方は受け取れません。ただ、療養中に失業保険の受け取り期限を延ばしておけば、回復してから切り替える順番で両方を受け取れます。

この記事を読むと、2つのお金を同時に受け取れない理由と、在職中から失業保険の手続きまでの時系列、切り替えでつまずきやすい点、会社とのやり取りを第三者に任せる方法がわかります。

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傷病手当金と失業保険は両方もらえる?

そもそも傷病手当金と失業保険とは

傷病手当金は、病気やけがで働けない間にもらえるお金です。会社員が入っている健康保険から支払われます。

失業保険は、辞めた後に次の仕事を探す間にもらえるお金で、正式には基本手当といいます。会社員が入っている雇用保険から、国の窓口であるハローワークを通じて支払われます。

傷病手当金と失業保険は、同じ期間に両方を受け取ることはできません。傷病手当金は働けないときの給付で、失業保険は働ける状態で仕事を探しているときの給付だからです。

一方で、時期をずらせば両方を受け取れます。療養中は傷病手当金を受け、回復して働けるようになってから失業保険の手続きをする、という順番です。

表に出てくる言葉

・協会けんぽは、健康保険を運営する団体の一つです。
・受給期間は、失業保険を受け取れる期限です。
・標準報酬月額は、保険料の計算に使う月給の額です。
・賃金日額は、1日あたりの給料の額です。

2つの給付の違いは次のとおりです。

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項目傷病手当金失業保険(基本手当)
制度健康保険雇用保険
受け取れる状態業務外の病気やケガの療養のため、仕事に就くことができない就職しようとする意思と、いつでも就職できる能力がある
申請先加入していた協会けんぽの支部など住所を管轄するハローワーク
受け取れる期間支給を始めた日から通算して1年6か月受給期間は原則、離職日の翌日から1年間(延長できる場合あり)
1日あたりの額標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2離職前6か月の賃金日額のおよそ50〜80%(60歳〜64歳は45〜80%)

出典:協会けんぽ「傷病手当金」、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

傷病手当金を受け取れるのは、仕事ができない状態のときです。これに対して失業保険の「失業」は、働く気持ちと働ける体があるのに、仕事が見つからない状態を指します。

ハローワークも、病気やけがですぐには就職できないときは、基本手当を受けられないとしています。働けない状態と働ける状態は同じ日に両立しないため、2つの給付が重なることはありません。

根拠は次の条文です。条文の「被保険者」は、雇用保険に入っている人のことです。

雇用保険法4条3項
この法律において「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
e-Gov 法令検索(雇用保険法)

覚えておきたいこと

「両方もらえない」のは同じ期間の話です。傷病手当金で療養し、回復してから失業保険を受け取る順番なら、どちらか一方をあきらめる必要はありません。

切り替えの順番と受給までの流れ

切り替えは、在職中に傷病手当金の受給を始めるところから始まります。在職中から受けていた傷病手当金を退職後も受け取り続けることを、継続給付といいます。

退職してから手続きを始めると、継続給付の条件を満たさなくなったり、失業保険の受給期間が過ぎたりすることがあります。

表に出てくる言葉

・待期は、支給が始まる前に必要な休みの期間です。
・事業主は、会社のことです。
・被保険者期間は、保険に入っていた期間です。
・離職票は、失業保険の手続きに使う退職の書類です。
・求職の申込みは、仕事探しをハローワークに登録することです。
・受給資格の決定は、受け取れる人かどうかの判断です。
・失業の認定は、失業中かをハローワークが確かめることです。

在職中から基本手当の手続きまでの流れは次のとおりです。

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時期傷病手当金失業保険(基本手当)
在職中連続3日の待期の後、4日目から支給の対象になります。申請書には本人・事業主・主治医がそれぞれ記入します。まだ手続きはしません。
退職日出勤しないで退職日を迎えます。被保険者期間が継続して1年以上あれば、退職後も継続給付を受けられます。会社が離職証明書をハローワークに出し、後日、離職票が届きます。
退職後の療養中加入していた協会けんぽの支部に、継続給付の申請を続けます。引き続き30日以上働けなくなった日の翌日以降、早めに受給期間の延長を申請します。
回復して働けるようになったとき働ける状態になった時点で支給は止まり、その後また働けなくなっても支給されません。ハローワークで求職の申込みをし、離職票を出して受給資格の決定を受けます。
受給開始—求職の申込み後、失業の状態にある7日間の待期を経て、4週間に1度の失業の認定を受けながら受給します。

この流れの要は、療養中に失業保険の受給期間を延ばしておくことです。延長しないまま療養が長引くと、働けるようになったときには受給期間の1年が過ぎていることがあります。

体調不良で出社できないまま退職するときの流れは、体調不良で出社できないまま退職したときの休職との違いと傷病手当金を解説した記事でも詳しく書いています。

注意

傷病手当金から失業保険への切り替えは、一方通行です。退職後に一度働ける状態になると、同じ病気やケガで再び働けなくなっても、傷病手当金は受け取れません。

退職後の傷病手当金の条件と金額

退職後の傷病手当金は、正式には「資格喪失後の継続給付」と呼ばれます。資格喪失は、退職して会社の健康保険から外れることです。

在職中に受けていた傷病手当金を、残りの期間について退職後も受け取れる仕組みです。

継続給付を受けられる2つの条件

協会けんぽでは、次の2つを満たす場合に、退職後も残りの期間の傷病手当金を受け取れます。

  • 退職日までに、会社の健康保険に続けて1年以上入っている
  • 退職日に、傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしている

1つ目の1年には、任意継続や共済組合、国民健康保険に入っていた期間は含みません。任意継続は、退職後も元の会社の健康保険に入り続ける制度です。

共済組合は、公務員などが入る健康保険です。国民健康保険は、自営業の方などが入る健康保険です。

2つ目の「受ける条件」とは、業務外の病気やケガの療養のための休業で、仕事に就けず、連続3日の待期を済ませていることです。根拠は健康保険法104条です。

条文の「被保険者」は健康保険に入っている人、「資格を喪失した日」は会社の健康保険から外れた日のことです。

健康保険法104条
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者(第百六条において「一年以上被保険者であった者」という。)であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
e-Gov 法令検索(健康保険法)

協会けんぽは、退職日に出勤したときは継続給付の条件を満たさないため、退職日の翌日以降の傷病手当金は支払えないとしています(協会けんぽ よくあるご質問)。挨拶や荷物の片付けのためでも、退職日の出勤は避けておきましょう。

1日あたりの額と支給期間

1日あたりの額は、支給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2を掛けて出します。協会けんぽが示している一例は次のとおりです。

計算の段階一例(支給開始日が令和8年2月15日の場合)
標準報酬月額令和7年3月〜8月が16万円、令和7年9月〜令和8年2月が18万円
12か月の平均(16万円×6+18万円×6)÷12=17万円
平均の30分の117万円÷30≒5,670円(10円未満四捨五入)
1日あたりの支給額5,670円×2/3=3,780円(1円未満四捨五入)

この例なら、30日分で11万3,400円です。被保険者期間が12か月に満たない方は、直近の各月の平均と、全被保険者の平均額(支給開始日が令和7年4月1日以降なら32万円)のいずれか低い額で計算します。

支給期間は、同一の病気やケガについて、支給を始めた日から通算して1年6か月です。

健康保険法99条4項
傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して一年六月間とする。
e-Gov 法令検索(健康保険法)

在職中に受け始めた日から数えるため、退職後に受け取れるのは1年6か月の残りの期間です。退職後の申請書は、加入していた協会けんぽの支部に出します。

失業保険の受給期間を延ばす手続き

失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。受け取れる日数の上限を所定給付日数といいますが、この日数が残っていても、1年を過ぎると基本手当は受け取れなくなります。

そこで、病気やけがで引き続き30日以上働けないときは、働けない日数だけ受給期間を延ばせます。延長できる期間は最長で3年間で、元の1年と合わせて最長4年間です。

雇用保険法20条1項
基本手当は、この法律に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める期間(当該期間内に妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上職業に就くことができない者が、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算するものとし、その加算された期間が四年を超えるときは、四年とする。)内の失業している日について、第二十二条第一項に規定する所定給付日数に相当する日数分を限度として支給する。
一 次号及び第三号に掲げる受給資格者以外の受給資格者 当該基本手当の受給資格に係る離職の日(以下この款において「基準日」という。)の翌日から起算して一年
e-Gov 法令検索(雇用保険法)

傷病手当金の支給期間は最長1年6か月なので、延長しなければ失業保険の受給期間のほうが先に過ぎてしまいます。延長しておけば、傷病手当金を受け終えてからでも基本手当を受け取れる期間が残ります。

延長の申請はいつ・どこでするか

ハローワークが案内している申請の時期と方法は次のとおりです。

受給期間の延長の申請

・引き続き30日以上働けなくなった日の翌日以降、早めに申請するのが原則
・延長後の受給期間の最後の日までなら申請できる
・申請先は住所または居所を管轄するハローワーク
・代理人による申請や郵送でもよい
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

原則は早めの申請とされているため、療養が30日を超えた時点で動くのが目安です。申請に使う書類は、住所地のハローワークに問い合わせておくと安心です。

特定理由離職者に当たる場合

失業保険を受けるには、原則として離職の日以前2年間に、雇用保険に入っていた期間が通算12か月以上必要です。ただし、病気などやむを得ない理由で辞めた特定理由離職者に当たる方は、離職の日以前1年間に通算6か月以上でも受給できます。

ハローワークは特定理由離職者の範囲に、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより離職した方を挙げています(ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)。当たるかどうかは、受給資格の決定のときにハローワークが判断します。

切り替えで損しないケース・損するケース

同じように体調不良で辞めても、2つの給付を順番に受け取れる方と、どちらかを受け取れなくなる方に分かれます。分かれ目は、退職日の迎え方と、受給期間の延長を申請したかどうかです。

典型的な違いは次のとおりです。表の「有給」は、休んでも給料が出る有給休暇のことです。

スムーズに切り替えられるケース給付が途切れるケース
在職中に待期3日を済ませ、傷病手当金を受け始めてから退職日を決めた受診しないまま退職し、仕事に就けなかったことの証明がない
退職日は有給か欠勤のまま迎え、出勤しなかった「最後くらいは」と退職日に出社し、継続給付の条件を外れた
療養が30日を超えた時点で、失業保険の受給期間の延長を申請した延長を申請せず、回復したときには受給期間の1年が過ぎていた
医師と相談し、働ける状態になってからハローワークで求職の申込みをした療養中なのに失業保険を先に申し込もうとし、手続きが進まなかった

給付が途切れやすいのは、制度の条件を確かめる前に退職日を決めた場合です。とくに退職日に出勤した場合と、延長を申請しないまま受給期間が過ぎた場合は、後から取り戻しにくい点に注意が必要です。

一方で、よく聞く説明の中には、実際の扱いと違うものもあります。

よくある疑問実際の扱い
「退職したら傷病手当金はもらえない」被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に受けているか受ける条件を満たしていれば、退職後も残りの期間を受け取れます。
「失業保険は退職から1年以内に申し込まないと消える」病気やけがで引き続き30日以上働けないときは、受給期間を延長できます。延長できる期間は最長3年間です。
「傷病手当金を先にもらうと失業保険が減る」受給期間を延長しておけば、傷病手当金を受けた後でも基本手当を受け取れる期間が残ります。
「雇用保険の傷病手当と健康保険の傷病手当金は同じもの」雇用保険の傷病手当は、求職の申込みをした後に15日以上病気やけがで働けなくなった方への給付で、別の制度です。

注意

在職中の期間の傷病手当金申請書には、事業主の記入欄があります。退職後に会社と連絡が取りにくくなると申請が止まりやすいため、退職前に申請書の送り先と記入の依頼を済ませておきましょう。

傷病手当金を受けながら辞める手順

まだ在職中の方は、退職日を先に決めるのではなく、傷病手当金の条件を満たしてから退職日を決める順番にすると、給付が途切れにくくなります。

1. 受診して休業を医師に伝える

仕事に就けない状態かどうかは、主治医などの療養担当者の意見などをもとに、仕事の内容も考えて判断されます。受診したら、仕事を休んでいることと、どんな仕事をしているかを医師に伝えておきましょう。

2. 加入期間と待期3日を確かめる

健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あるかは、入社日から数えて確かめます。待期は連続3日が必要で、2日休んで3日目に出勤すると成立しません。

3. 退職日は出勤せず意思を伝える

退職日は、有給か欠勤のまま迎える日にします。正社員のように雇用期間が決まっていない働き方なら、申入れから2週間で雇用は終わるため(民法627条1項)、体調が悪ければメールで伝えても意思表示になります。

メールでは、傷病手当金の申請書の記入と、離職票・源泉徴収票の送り先もあわせて伝えておきましょう。源泉徴収票は、1年間の給料と税金を記した書類です。

メールで伝えるときの文例

件名:退職のご連絡(〇〇部 氏名)
〇〇課長
療養のため休業が続いており、2026年10月31日をもって退職いたします。
退職日までは出勤せず、療養を続けさせていただきます。
在職中の期間の傷病手当金支給申請書について、事業主記入欄のご記入をお願いいたします。
離職票と源泉徴収票は、下記の住所へ郵送いただけますと幸いです。
【住所】〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇

2週間の数え方や、会社が退職を認めないときの対処は、2週間はいつから数えるかと、会社が認めない時の対処を解説した記事で詳しく書いています。

4. 健康保険と年金を切り替える

退職日の翌日には会社の健康保険から外れるため、任意継続か国民健康保険などに切り替えます。継続給付の傷病手当金は、切り替えた先ではなく、退職前に入っていた協会けんぽなどの健康保険から受け取ります。

切り替えの期限と届出先は、退職後にやる健康保険・年金・失業手当の手続きをまとめた記事で確かめられます。

5. 30日を超えたら延長を申請する

引き続き30日以上働けない状態になったら、住所地のハローワークに受給期間の延長を申請します。体調がつらいときは、代理人や郵送でも申請できます。

ここまでの手順は次のとおりです。

  • 受診して、仕事を休んでいることを医師に伝えた
  • 健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あるか確かめた
  • 連続3日の待期が済んでいるか確かめた
  • 退職日を出勤しない日にして、退職の意思を伝えた
  • 傷病手当金の申請書と、離職票・源泉徴収票の送付先を会社に伝えた
  • 健康保険と年金を切り替えた
  • 療養が30日を超えた時点で、失業保険の受給期間の延長を申請した

会社とやり取りしたくない方の選択肢

療養中に会社からの電話に出たり、申請書の記入を何度も頼んだりするのは負担が大きいものです。会社と直接話さずに進めたいなら、第三者を窓口に立てる方法があります。

退職の伝え方は3つ

退職の伝え方と、傷病手当金の書類のやり取りの方法は、大きく3つあります。表の内容証明郵便は、送った内容を郵便局が証明する郵便です。

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方法進め方費用かかる日数向く人
自分で伝える(電話・メール)上司や人事に退職の意思を伝え、申請書の記入も自分で頼むかからない伝えた日から2週間で退職会社と普通にやり取りでき、書類も出してもらえる方
郵送・内容証明退職届を内容証明郵便(配達証明付き)で送り、申し入れた日付を記録に残す郵便料金のみ届いた日から2週間で退職電話はつらいが、書面なら送れる方
第三者に頼む(退職代行)業者が退職の意思を伝え、以後の連絡を引き受ける。弁護士なら書類の請求まで任せられる1万5,000円〜5万5,000円程度(運営元で異なる)依頼当日に会社へ連絡療養中で、会社と連絡を取ること自体が負担な方

費用は税込で、各社の公式サイトにもとづく目安です。どの方法でも、退職日に出勤しないことと、傷病手当金の申請書の依頼を退職前に済ませることは変わりません。

退職代行が引き受けられる範囲

退職代行は、本人の代わりに会社へ退職の意思を伝え、以後の連絡を引き受けるサービスです。依頼した日に会社へ連絡が入り、本人は出社せずに退職日を迎える流れが基本です。

ただし、できる範囲は運営元によって、民間企業・労働組合・弁護士の3タイプに分かれます。労働組合は、働く人が集まって会社と話し合う団体です。

表の団体交渉は、労働組合が会社と行う話し合いです。労働審判は、裁判所で短期間に解決をめざす手続きです。

運営元できること料金帯
民間企業退職の意思と希望(有給消化など)を伝える。交渉はできない1万5,000円〜2万7,000円程度
労働組合団体交渉として有給消化・退職日・未払い分を話し合える。訴訟の代理はできない1万5,000円〜3万円程度
弁護士交渉に加え、書類の請求、未払い分の請求、労働審判・訴訟の代理まで2万2,000円〜5万5,000円程度+プランによって別料金

料金帯は税込で、2026年9月時点の各社公式サイトにもとづきます。傷病手当金の書類まで会社とのやり取りを任せたいなら、弁護士の退職代行が目安になります。

弁護士でない者が報酬を得て法律の仕事をすることを、非弁行為といいます。民間の業者が会社との交渉まで行うとこれに当たるおそれがあるため、線引きは退職代行の非弁行為と運営元ごとにできることを解説した記事で確認しておきましょう。

利用は広がっています。東京商工リサーチが2026年3月31日〜4月7日に行った調査(有効回答6,425社)では、2024年1月以降に退職代行を通じた退職があった企業は8.7%でした。

出典:東京商工リサーチ「『退職代行』からの連絡、企業の3割取り合わず」

退職代行が向く方・向かない方

自分でメールを送れて、会社も申請書の記入に普通に応じるなら、使わなくても退職できます。

向く方と向かない方は次のとおりです。

向く方向かない方
会社からの電話に出るのもつらく、療養に専念したい上司や人事にメールで伝えられ、会社も退職の手続きに応じる見込みがある
申請書の記入を頼んでも、会社がなかなか応じてくれない会社との関係が良好で、申請書も滞りなく記入してもらえる
「一度出社して話せ」と言われ、退職日に出勤させられそうで不安休職を続け、復帰するかどうかを療養しながら考えたい

傷病手当金も相談できる弁護士の退職代行2社

この状況では、「傷病手当金の書類のやり取りまで任せられるか」と「弁護士として会社に書類を請求できるか」の2つの軸で選ぶと絞りやすくなります。

フォーゲル綜合法律事務所|傷病手当サポートあり

フォーゲル綜合法律事務所の公式サイト
出典:フォーゲル綜合法律事務所公式サイト(2026年9月時点)
項目内容
料金22,000円〜(ライト22,000円/スタンダード25,000円/あんしんプラス55,000円/業務委託110,000円。傷病手当サポート33,000円)
運営元弁護士(弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所)
交渉有給・退職日・未払い分の交渉に対応
即日可(最短1時間)
返金保証あり(全額返金保証)
後払いあり(審査あり)/2回分割可
連絡手段—

フォーゲル綜合法律事務所は、代表弁護士が全件を担当する弁護士の退職代行で、ライトプランなら22,000円から依頼できます。追加料金や成功報酬はなく、退職日から60日間のアフターフォローがあります。

傷病手当サポートを33,000円で用意している点が、傷病手当金を受けながら辞める方に向く理由です。後払いと2回分割にも対応しているため、休業中で手元の資金が少ない方も検討しやすいでしょう。

弁護士法人ガイア|傷病手当の会社側書類も依頼可

弁護士法人ガイアの公式サイト
出典:弁護士法人ガイア公式サイト(2026年9月時点)
項目内容
料金25,300円〜(伝達のみ25,300円/フォロー付55,000円/役員・業務委託等77,000円。未払い分を回収した場合は成功報酬20〜30%)
運営元弁護士(弁護士法人ガイア総合法律事務所)
交渉有給消化・退職日の交渉、未払い残業代・退職金の請求、離職票等の書類請求
即日可能(委任契約と入金が当日中に済めば即日退職)
返金保証—
後払いなし(銀行振込の前払い)
連絡手段LINE(24時間受付)・電話・メールフォーム

弁護士法人ガイアは、退職を伝えるだけなら25,300円で依頼できる弁護士法人です。離職票などの書類の請求や、有給消化・退職日の交渉にも対応しています。

傷病手当の申請に必要な会社側書類の作成依頼までサポートしている点が、この状況に向く理由です。LINEは24時間受け付けていて、支払いは銀行振込の前払いです。

自分で動く手順と見比べて、療養中に会社とのやり取りを続けるのが難しいと感じたら、退職代行も検討の選択肢に入れてみてください。

よくある質問

療養中に失業保険の手続きはできますか?

基本手当の手続きは、働ける状態になってからです。療養中にできるのは、受給期間の延長の申請です。

延長を申請しておけば、回復してから求職の申込みをして、基本手当の手続きに進めます。

傷病手当金の後でも失業保険はもらえますか?

受給期間の延長を申請していれば、受け取れる期間が残ります。延長は働けない日数だけで、延長できる期間は最長3年間です。

延長を申請しないまま離職日の翌日から1年が過ぎると、基本手当は受け取れなくなります。療養が30日を超えた時点で申請しておきましょう。

失業保険の後に傷病手当金に戻れますか?

協会けんぽは、退職後に一度働ける状態になると、その後また働けなくなっても傷病手当金は支給されないとしています。

求職の申込みの後に15日以上働けなくなった場合は、雇用保険の傷病手当の対象になることがあります。住所地のハローワークに相談しましょう。

有給と傷病手当金はどちらを使う?

有給を使った日は給与が出るため、その日の傷病手当金は支給されません(給与が傷病手当金より少ない場合は差額が出ます)。一方、待期の3日間には有給の日も含まれます。

有給の残日数と退職日を照らし合わせ、待期3日がいつ済むかを確かめてから決めるとよいでしょう。

退職代行で辞めても給付は受け取れますか?

退職の意思を本人が伝えても、退職代行が伝えても、退職の効力は同じです。受け取れるかどうかは、それぞれの給付の条件を満たしているかで決まります。

退職代行を使う場合も、退職日に出勤しないことと、傷病手当金の申請書の依頼を退職前に済ませることを、業者に伝えておきましょう。

まとめ

傷病手当金と失業保険を順番に受け取るための対処は、次の順番で進めると整理しやすくなります。

  • 在職中に受診して待期3日を済ませ、退職日は出勤しない日にする
  • 退職後は継続給付の傷病手当金を受け、療養が30日を超えたら失業保険の受給期間の延長を申請する
  • 回復して働けるようになったら、ハローワークで求職の申込みをして基本手当の手続きをする

2つの給付は同じ期間には重なりませんが、順番を守れば両方を受け取れます。退職日の決め方と延長の申請が、切り替えの分かれ目になります。

療養中に会社と直接やり取りを続けるのが難しいと感じたら、退職代行も選択肢の一つとして検討してみてください。

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療養中の方は、傷病手当金の申請に必要な会社側の書類まで頼めるかで業者を選ぶと、手続きが止まりにくくなります。退職日の決め方が給付の切り替えの分かれ目になるため、退職日の話し合いまで任せられる業者だと安心です。

退職代行診断ナビの無料診断では、雇用形態・重視したい点・辞めたい時期の3つを選ぶと、条件に合う業者がすぐに表示されます。退職日を会社と調整してほしい方は、「退職日や有給消化の交渉もしたい」を選んでみてください。

本記事は一般的な情報の整理であり、個別の事案についての法的助言ではありません。料金と対応範囲は2026年9月時点の各社公開情報にもとづきます。

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